水屋のはたらき


水屋(みずや)のも式図(イメージ)

 これは、堤防が切れて、赤い線のところまで水がきても、水屋はだいじょうぶであることを分かりやすくした図です。この地方では、冬の季節風である「伊吹おろし」の影響(えいきょう)を少なくするために、水屋は屋敷(やしき)の北西角に立てられることが多いようです。また、洪水の時に上流側(じょうりゅうがわ)からおしよせてくる流木(りゅうぼく)が水屋や母屋をこわさないようにするために、水屋や母屋の北側や西側(東側)にまきの木などの垣根を植えています。
 水屋は、水害にくるしんだ輪中の人たちが、こう水にそなえてつくったたてものです。ごらんのようにやしきの一ぶを高くつみ上げ石垣を組み、その上に家をたてました。 水屋をつくることができたのは、中流(ちゅうりゅう)以上ののう家で、それ以下の人た ちはこう水になると、ていぼうの上にひなんしました。 水屋にはいろいろな形式(けいしき)がありますが、この水屋はすまいとそうこをかねた「住きょそうこ式水屋」と言われています。母屋(おもや)とちがって土のかべが多く、その上を板でかこっ てあります。高い所にたてられたかべの多い水屋は、はげしい雨や風にう たれても強く、また、こう水の時に4から5メートルの波が打ちよせますが、その波にもたいへん強いのです。水屋の中には、ねおきする部屋(へや)とそうこがあり、そうこの中にはみそ、しょうゆ、うめぼし、のみ水などをたくわえ、舟(ふね)で行き来して、こう水がひ くまでここにひなんしました。
(注:これは、あくまで輪中のイメージ図ですので、実際(じっさい)の東西の距離(きょり)と高さとの比などちがっていますので、誤解(ごかい)のないようにお願いします)。


(注意:著作権者のデータが含まれていますので、このシリーズのデータを利用したソフトの流通は不可です。使用条件:学校教育においてのみ使用可)


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