4年生で、オニバスの栽培と観察を始めました。

オニバスってどんな植物?

 これは、吉里小の丸池にオニバスの種が浮かんでいるところです。オニバス(スイレン科)は、現在全国でも100箇所ほどしか生息が見られない貴重な水辺の植物で、絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)に指定されています。
 海津町でも昭和初期までは、堀や用水路、池などに繁茂(よく茂ること)していてめずらしい植物ではありませんでした。しかし、花も茎も葉も、全身とげだらけでふれるといたく、また、田舟を用いた水田耕作にとっては害のある草でした。そして近年の高須輪中の耕地整理が完成し、産業開発や宅地造成のため、池や堀が埋められたことによって絶滅しようとしています。
 本州・九州、および中国、インドなど暖帯から熱帯に分布し、水の流れのゆるやかな池や沼に生える1年生水草です。気温が高くなる初夏に発芽し、夏のわずかな期間に急成長し、8月か9月初旬頃までに花を咲かせます。9月の下旬から10月頃に実をつけ、種が散って沈んだ後しだいにかれていきます。
                  参考文献「海津の動植物T−水辺の植物」海津郡教育振興会編集
 オニバスは、ひみつがいっぱいのめずらしい植物です。4年生はこの植物を育てながら、ひみつを探ってみました。さてどんなひみつがあるのでしょう。

オニバスのひみつを探ろう!

種の発芽と水中葉
種子のじゅみょうは、1年から長いので80年ぐらいあり、いつに発芽するか分からないのだそうです。初夏に水温が上がってくると水のそこで発芽します。水がなくなり干上がったりして環境が変わってもぜつめつしてしまわないようにできているのですね。
 この写真の真ん中にある、三角のやじりのような形をした葉が水中葉です。一番初めに出てくる葉です。この葉はとても薄く、黄緑色です。茎も大変細く長いところがヘチマとちがいます。根もとても長いのです。水のそこにしっかり根をはり、波風にゆられながらもしっかりと育つためには、こんな形が必要なのでしょう。
 4枚目ぐらいになると、葉の形がハート型で、さけ目の先がまるい形になります。色もずいぶん濃い色になってきました。
「かえるの足」型で葉にさけ目がある葉
 「かえるの足みたいだ。」「でてくるたびに、葉の形がちがうよ」と気付いたことをは話し合いました。
「赤いてんてんはなんのためかな。」「だんだんまるくなっていくね。」「すこしかわいいとげがでてきたよ。」くきのついているところの葉のちょうど上側にあるよ。」
 
 カメに食べられてしまうので、金あみがしてあったのですが、葉も金あみからはみ出しそうになり、とげも出てきたのでもう食べないだろうと思い、カメのえさとして他の水草をいっぱい入れて金あみをはずした次の日、オニバスはきれいになくなっていました。やっとここまで育ったのに!

 
大きくて丸く、さけ目のなくなってきた葉
 まんなかにふくらみがでてきて、丸くなった葉にはとげがいっぱいです。さわるととてもいたいです。うらは濃いむらさき色です。でも日光にすかすとちゃんと緑色に見えるからふしぎ。葉脈が発達してそこからとげがでます。葉は、大きいので2mから3mにもなるそうです。残念ながら吉里小のオニバスは、3回にわたる植え替えと、この夏の低温でうまく育たず直径37cmぐらいでした。もくひょうは110cmで前の5年生の記録を抜くはずだったのですが‥
 肥料もあげたほうがよかったかな。
 水がにごらないように、ほかの水生植物のヒメビシや、トチカガミやクロモなども入れてあげました。

 オニバスの葉は、1枚生えるごとに系統発生といって進化していく過程を順番にみせてくれるとてもめずらしい葉なのです。水中で丸まっていた葉が水の上へ出てくると開き始めます。
オニバスの実  まるで鳥のくちばしのようだ!
 8月下旬から9月上旬。花は、赤紫のような鮮やかな色で、開くと4cmほどの大きさになります。朝水面に上がってきて開いて、午後には閉じて水中へしずみます。受粉後水中に沈み、花の根元が熟してふくらみます。不思議なことに吉里小では、つぼみを確認しながらも、ついに花が咲くところを見つけられませんでした。にもかかわらず、ちゃんと実がふくらみ、なにやらごつごつしてきたなと思っていたら、水面に実が浮き上がり、やがて割れて、しろっぽい種がふわふわ浮いているのを確認しました。1つの実から27個ぐらいでてきました。ふつう、順調に育つと、一つの実から40〜80個ほどの種を出すそうです。しかも水面に咲く花よりも水中で実を付ける花のほうが種の数が多いなんて。なんでだろう?
 それらは2〜3日浮いてあちらこちらに散らばり、やがてまた水そこに沈んでいきました。
なぜ、ふわふわ浮くのだろう?浮くひみつにせまりました!
 この種は、白っぽいふわふわぬるぬるのかわの中に、うすいまくでおおわれたかたい黒っぽい種がありました。白っぽい皮をとると種は浮かないよ。白い皮に浮くひみつがあるにちがいない。そこで、白いかわをけんびきょうでみると、あった!あみのめのようなところに空気のまるいつぶが入っていたのです。種が浮くひみつはこの2重の皮にあったのですね。
 この種は、食用になり、いって食べていたそうです。ハスの実やヒシの実と同じように、食べられていたことがわかりました。 
しだいに枯れていく葉
10月。実ががつぎつぎと割れ、種が散っていくと、葉はしだいにかれていきます。

葉も茎も花もすべてとげだらけでごつい感じだけど、このとげはいろいろな生き物に食べられないように、子孫を残すため、身を守るための手段なのですね。
 オニバスってほんとうにたくさんのひみつがあり、まだまだなぞの多い植物です。


どのようにして調べてきたの?

6月〜10月
 吉里小の丸池やなまず池、ベランダのバ
ケツ池、パークセンターの池でオニバスを観察しました。
「はやく大きくならないかな。」
 急に温度が高くなった盆過ぎに急に葉が成長し始めました。
とげがいっぱいの葉をさわったり、種をけんび鏡で見たりしました。
6月
 教頭先生から、オニバスについて話を聞き、種と水中葉の観察しました。
図書館の本や資料や図鑑で調べました。
オニバスの天敵は、亀やザリガニだって?
そういえば、池には緑ガメがいたはず。どうりでいつまでたっても水中葉や葉が出てこないはずです。3度丸池からなまず池へ植え替えました。今度こそ育つかな?
 7月上旬
 アクアワールド水郷パークセンターで、水辺
の環境とオニバスについての講座を受講したり、質問したりしました。水辺には魚、鳥、昆虫、植物などいろいろな生き物がお互いに関わりあって生きているのだということがわかりました。
7月中旬
オニバスのとくちょうが現れるように、
紙粘土や和紙や針金や爪楊枝など身近な材料を使ってオニバスの葉をつくりました。このとき、オニバス博士の大倉先生にたくさんのアドバイスをいただいたり、お話をうかがったりしました。
 「オ二バスのとげって、きまって葉脈の分かれ目にできるんだよ。なぜなんだろう。 ふしぎだなあ。」

なまず池に見られる生き物

 なまず池では、オニバスのほかにもいろいろな生き物が見られます。オニバスを観察していると、赤とんぼやかえるやカマキリなど季節によっていろいろな生き物が訪れます。また、何年か前に池に放流した外来種のミドリガメの赤ちゃんが下の写真のように巨大化し、オニバスの苗をちぎったり、食べてしまったりすることがわかりました。夏休みに池の水を抜いて他の魚と共に捕獲し、他の所へ逃がしました。ほっとしたのもつかの間、今度は、外来種のオオタニシがガマの根元に大きな濃いもも色のたまごをいっぱい産み付けているのを発見しました。「このたまごは、おじいちゃんが、とってつぶしているよ。稲を食べてしまうんだって。とらんとあかんよ。」…水辺のかんきょうと生き物のかかわりについて、さらに考えてみることにします。

    このほか
・ガマ
・クロモ
・ヨシ
・フトイ
・イ 

    トチカガミ

 ヒメビシ(栗のような味)

 成長したミドリガメ

    アメンボ

・ヤゴ、オオタニシなど

  
 この後、コンピュータ室でパソコンを使ってオニバスの紹介文を作りました。ワードで文章を作ったり、今までデジタルカメラで取ってきた写真を入れたりして、
オニバスの学習まとめをしました。番号のつけ方や文字に色をつけること、大きさを変えて見出しをつけることなども覚えました。
 これからは、他の水辺の植物や動物、環境についても自分たちで課題を見つけて調べていきたいな。